zapping

監督:片栗粉の真実

音楽:ヒゲドライバー

作品解説


上京してから1年目〜3年目あたりの僕自身を題材(?)にした作品です。

テレビをつければ、よく話題の女優がバラエティー番組でちやほやされています。
でも、不思議と2ヶ月3ヶ月もすればプッツりテレビから姿を消し、忘れた頃にマイナーな映画かなんかに出てたりして、「今こんなことしてんだー」ってなったりすることありますよね。
もちろん、これは女優だけではなくて、お笑い芸人だとか社会問題とか、多摩川のタマちゃんとか、レッサーパンダのフータ君とか、いろんなことにいえます。
こういう流行みたいなのは次から次へどんどん流れていき、ふと気がついた時には次の展開がはじまっています。
流行の流れを作っているのはテレビや雑誌、インターネットといたメディア媒体です。
そこから発信される様々な情報に我々は振り回され、そりゃ、じょうずに乗りこなせる人はいいでしょうけど、今の僕みたい流行から疎い人間には、まるでノイズの海に放り出された気分にすらなります。
世間のいう「スタンダード」はこの流行に影響されるものだとおもいます。
まぁ、よくいう「え、そんなこと知ってるでしょ普通」みたいな。
「こういうファッションが普通でしょ」みたいな。
いや、うん、やっぱり普通だと思います。
当時の自分は10代ってこともあって、流行にはわりと敏感で、いろんな方向にアンテナ張っていたと思います。
よく新宿のルミネとかで、ファッション雑誌に載ってるような服を買いました。
そう、世間のいう「普通」を求めて。
でも結局のところ、波に乗るのに疲労し、今ではこの有様です。
本作品ではこの社会の流行と、それに対する自分の反応、「東京に巣くう魔物」がいざなうスパイラルな世界、社会の流行の雑踏に消されていく自分、世界と己のアイデンティティー、そんなものを表現しました。